日本エアコミューター株式会社様

日本エアコミューター様 航空機基幹システムにボックスコンピュータ®が活躍

航空会社の安全の要の一つである整備の基幹システム。そのシステム刷新を前に、日本エアコミューター株式会社(JAC)は、JALグループの厳しい経営環境により限られた予算で現行システムの延命を迫られた。OSのサポート終了に伴うセキュリティ問題やJALグループの規約に則った制限など、数々の厳しい課題をクリアしたのはコンテックのボックスコンピュータ®だった。

キーワード
  • ICTシステム
業種
  • 運輸・交通
目的
  • 省スペース化
  • 業務効率向上

限られた予算内で新OSへと安全にスムーズに移行するために

日本エアコミューター(以下JAC)は、鹿児島県の奄美大島で、離島への数少ない空の交通手段として1983年に発足。以来、30年以上にわたって人身無事故を継続中で、現在は鹿児島空港から西日本各地へと路線網を広げながら、JALグループ国内ネットワークの一翼を担っている。2000年には管理する航空機をコンピュータ管理するためのJ-MACという航空機整備の基幹システムを開発・導入した。「現在整備では25機の航空機を管理しており、J-MACではコンピュータ上で航空機の部品管理、技術管理、整備計画など航空機の安全の維持に欠かせないほとんどのデータの管理を行っています」(整備管理部 整備管理グループ 岩本慎一氏)。

システムのOSにはWindows XPを採用していたため、本来であればXPのサポートが終了する2014年までにはJ-MACのシステムをすべて刷新する計画だった。しかし、2011年にJALグループが厳しい経営状態に陥り、当初の計画を変更し、会社存続のため限られた予算でXPのサポート終了後のシステム運用を探る必要に迫られた。そこで、まず現行の端末を継続使用し、OSを仮想化してシステムを稼動させる方法を考えたが、それはJALグループの規約に加えてセキュリティ上の問題もあり採用に至らなかった。そんな中で出会ったのがWindows XP用のソフトウェアが使用できるWindows Embedded Standard(以下WES)2009を搭載したコンテックの産業用PCだった。「当社のシステムに合わせたカスタマイズをいかに自由にできるかが課題でした。そんな状況で自由度の高いシステム移行ができ、またファンレスで耐久性にも優れていたのがこのボックスコンピュータ。我々が目指す方向に最も近いPCでした」(岩本氏)。

JAC整備管理部 航空機用整備管理システム(J-MAC)は、航空機整備の心臓部にあたるシステム

システム構成イメージ図モーダルで開く

カスタマイズ性と即応性の高さが当社の目指す基幹システム延命を可能に

JACが採用したのはWES2009をインストールしたボックスコンピュータ。2014年3月から約70台を導入する。WES2009はXP採用システムの延命に最適で、2019年1月8日までの延長サポート(供給は2024年1月8日まで)を可能にした。この延命処置に加え、現行システムの移行にあたってコンテックの産業用PCを導入するためには、なにを決め手としたのだろうか。

「JALグループのネットワーク規約に則ったシステムで延命できることがまず大きな条件でした。その中で、我々のリクエストを丁寧に聞いて、本当にやりたいことを理解いただいた上で提案してくださったのがコンテックさん。導入の検討にあたっては、デモ機をお借りし、一緒に動作確認。カスタマイズの要望も細かく聞いていただいた。その迅速で理解力のある対応力は心強いと感じましたね。ホワイトリスト方式のセキュリティシステムが使えること、またWSUS機能(OSの自動アップデート機能)をカスタムできるなど、ボックスコンピュータは当社にとってより使いやすく、効率のよいカスタマイズが可能だった点も大きなポイントでした」(岩本氏)。

さらにボックスコンピュータの導入によって新たなメリットも期待されているという。

「従来であれば、新しいプログラムを導入する際には端末1台ごとにインストールする必要があったので、導入のたびにパソコンのある各空港に出張して、1台ごとにインストールしていたのです(苦笑)。でも今後はインストールや仕様変更は鹿児島で行えるので、大きなメリットになるだろうと期待しています」(岩本氏)。

また、A5サイズというコンパクトさも大きな利点だという。サーバーの様に一括で管理するためコンパクトにまとめて管理できるのは魅力です。

「現場の人間にとって違和感なく移行されることは大きな利点です。移行に際して作業が滞るということもありませんでした。これまで通り違和感なく使うことができるのは、オペレーションにとって最も大切なことなので、大きな利点になると思います」(岩本氏)。

JACが採用したのはWES2009をインストールしたボックスコンピュータ 航空機用整備管理システム(J-MAC)は、航空機整備の心臓部にあたるシステム

Windows XP用のソフトウェアが使用できるWindows Embedded Standard(以下WES) 2009を搭載したコンテックの産業用PC サーバールームに設置されたBX955。コンパクト設計で場所を取らない

ボックスコンピュータ® BX955S

  • スリットレス・ファンレス設計
    • 省電力CPU インテル Atomプロセッサ搭載のファンレス組み込み用コンピュータ
  • わずか35mmの省スペース設計
    • A5サイズ程度の小さな面積で設置可能な省スペース設計!
  • 組み込み用途に最適なOSを採用
    • 長期供給が可能な組み込み機器向けのOSをインストル

ボックスコンピュータ® BX955S

導入のポイント

課題

Windows XPのサポート期間の終了が近づくなかで、限られた予算内での航空機整備の基幹システム移行が迫られていた。そもそもは基幹システムの刷新を想定していたが、JALグループの厳しい経営環境によって、システム移行の予算が削られ延命策を探ることに。

成果

JALグループのネットワーク規約を遵守しながら、自社のスタイルに合ったカスタムができることなど、数々のリクエストに応える産業用PCがBX955だった。現場で運用操作を変えずにOSのスムーズな移行はもちろんのこと、セキュリティ面でもメンテナンスの面からも利便性アップが期待されている。

お客さまプロフィール

日本エアコミューター株式会社 整備管理部 整備技術グループ
岩本 慎一様
航空機の寿命はおよそ20数年。しかし、現在運航している航空機の更新が15年先になるのか、5年後にやってくるのかわかりません。ですから基幹システムも長く使えるものでなければなりません。息長く安定して使えるハードというのが、産業用PCを選んだ理由のひとつです。

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