2022/03/01
省エネ対策の一環として、自家消費型太陽光発電システムの導入を検討する企業も多いのではないでしょうか。本記事では、自家消費型太陽光発電システムの概要や導入メリットを解説した後、コンテックの「AI搭載 自家消費制御対応SolarView SC」をご紹介します。
自家消費型太陽光発電システムとは、発電した電気を自社の施設で消費するタイプの太陽光発電システムです。自家消費した電力分は、電気料金を削減でき、環境に優しいクリーンエネルギーとなるため、近年導入を検討する企業が増えています。
自家消費型太陽光発電が注目される理由はいくつかありますが、なかでも主要な3つの理由を解説します。
気候変動に対する国際的な取り組みは、CO2の削減や脱炭素社会など多岐にわたります。 例えば、企業が事業で使う電力を100%再生エネルギーで調達することを目指す、国際的なイニシアティブ「RE100(Renewable Energy 100%)」は、注目したい取り組みの一つです。自家消費型太陽光発電は、これらの取り組みに対する有効な手段として注目されています。
事業用太陽光発電(10kW以上50kW未満)を例に挙げると、2020年は「13円+税」でしたが、2021年には「12円+税」に低下しました。売電価格の流れを見ると、年々低下している傾向です。そのため、売電の旨みのなくなった現在は、自家消費型太陽光発電システムに注目が集まっています。
原子力発電の停止や原油価格の上昇、再エネ賦課金単価の上昇など、電気料金を押し上げる要素は少なくありません。これらの問題が解消しない限り、電気料金の上昇は続くと予想されます。
自家消費型太陽光発電システムを導入することで、自家消費した分の電気料金を節約でき、電気料金の上昇による影響を低く抑えることが可能です。
自家消費型太陽光発電システムは、ソーラーパネルを屋根または空き地など太陽光が当たる場所に設置し、発電した電気を自家消費する仕組みです。電力会社から購入する電気量を自家消費分削減することで、電気料金を節約できます。自家消費型太陽光発電にも、余剰電力を売電する「余剰売電型」と、全量を自家消費する「全量自家消費型」があります。
全量売電型(全量買取)は、発電した電気をすべて電力会社に売電するタイプで、自家消費する電力の有無が大きな違いです。しかし、全量売電は大きな出力容量が求められるため、大規模な太陽光発電システムのある設備が求められます。
自家消費型太陽光発電システムを導入するメリットについて、順番に解説します。
電気料金は、契約電力×電力量で計算されますが、自家消費型太陽光発電は、契約電力と電力量の両面からの電気料金削減が可能です。電力量は、自家消費する分減少し、電気の基本料金は、最大デマンド値を基準に算出されます。
最大デマンド値とは、30分ごとの平均使用電力の最大値です。自家消費型太陽光発電は、消費電力の多い日中に発電量が増えるため、電気の基本料金を減らすことができます。
自家消費型太陽光発電システムを導入すれば、税制優遇や補助金を活用できる可能性があります。中小企業経営強化税制による税制優遇はその一例です。また、国や自治体からの補助金の例としては、「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業」などが挙げられます。
世界的に、CO2削減や低炭素社会への動きが活発化していますが、自家消費型太陽光発電システムを環境経営へ活用することで企業価値の向上につなげられます。企業価値の向上とは、単にイメージアップという意味合いだけではありません。企業において重要となる、資金調達や利益化も可能です。
例えば、削減したCO2量を売買できる「J-クレジット制度」を使えば利益を出すことも期待できます。また、RE100は、主に大企業が参加している国際的なイニシアティブです。取引先の中小企業も、同様の企業努力を求められるケースがあり、自家消費型太陽光発電を導入することで、中小企業も企業競争力の向上になります。
自家消費型太陽光発電システムが稼働していれば、災害時でも電気を使用できるため、災害時のBCP対策(事業継続計画対策)となります。
自家消費型太陽光発電システムには、多くの導入メリットがありますが、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか、順番に解説します。
「逆潮流」とは、自社から発電所へ流れる電流です。全量自家消費型の自家消費型太陽光発電システムには売電の仕組みがないため、逆潮流の発生を想定していません。逆潮流が発生するとトラブル発生の可能性があるため、自家消費型太陽光発電システムにはRPR(逆電力継電器)の設置が必要です。
RPRは、逆電流を検知するとパワーコンディショナを自動的に停止し、発生しうるトラブルを防止します。しかし、RPRが作動するとパワーコンディショナを再起動しなければなりません。逆潮流が頻繁に発生すると、そのたびに一時的な停電が発生し、職場や工場の生産性低下を招きます。
また、昼休みや休日など消費電力が下がる日時が分かっていても、事前に太陽光の発電電力を抑えるなどの対策は、RPR単体では不可能です。
先述の通り、電気の基本料金は、最大デマンド値を基準に算出されます。電力の消費量が日中に多い場合は、自家消費型太陽光発電システムによって最大デマンド値を抑止可能です。しかし、太陽光発電の電力量が減少する日没以降に消費電力量が上がる場合、電気の基本料金が高額になる可能性があります。
複数拠点で太陽光発電システムを利用している場合、一括して稼働状況を管理したい企業もあるでしょう。また、新型コロナウイルス感染症の流行などで、管理部門も在宅勤務を余儀なくされる企業もあります。しかし、太陽光発電システムをそのまま利用するだけでは、社外から稼働状況を把握する手段は用意されていません。
コンテックの自家消費型太陽光発電コントローラ「AI搭載 自家消費制御対応SolarView SC」は、自家消費型太陽光発電システムのデメリットを解決する製品です。具体的に、どのような機能がデメリットをカバーするのかについて、順番に解説します。
SolarView SCは、逆潮流を防止する機能を搭載しています。本機能により、逆潮流発生時のパワーコンディショナ停止を最大限に抑止し、自家消費型太陽光発電のスムーズな利用を実現しました。
本機能は、AI技術を活用した電力制御とスケジュールによる電力制御の2方式をサポートしています。AI技術を活用した電力制御方式では、強化学習により、消費電力に追従した最適な発電制御を行い、RPRの作動を極力抑えることを可能としました。 また、昼休みや定時後、休日など、消費電力が下がる日時が明確な場合は、スケジューリング制御機能で太陽光発電電力の出力抑制も可能です。
デマンド制御は、電気の基本料金を最適化する仕組みとして、SolarView SCが提供する機能です。SolarView SCは、30分ごとにデマンド予測を行い、デマンド値を監視します。監視しているデマンド値が、設定した閾値を超えたことを検知すると、メール通報などによる通知を行い、電気の基本料金を管理する支援を行うのが特徴です。
SolarView SCに蓄電池システムを接続している場合は、蓄電池の充放電を制御してピークカット運転を行うこともできます。
発電設備監視機能は、太陽光発電状況や蓄電池を含む計測制御対象設備の状態監視を支援する機能です。状態を画面で一括表示するため、直感的に現在の状況を確認できます。また、稼働状況を確認することで、「デマンド制御に設定する閾値を決める」「消費電力の少ない日時をスケジューリングする」といったことが可能です。
自家消費型太陽光発電システムの状況は、帳票としても出力可能です。SolarView SCの管理画面は、Webアプリケーションとして提供されるため、社外からも容易に確認が行えます。
この記事では、自家消費型太陽光発電の概要やメリット、SolarView SCの特徴などをご紹介しました。自家消費型太陽光発電システムは、電気料金の削減や節税対策、環境経営への活用など企業経営にとって多くのメリットがあります。
これからは、電力を「売って儲ける」のではなく「自社で作って使う」時代です。太陽光発電を利用して、会社のエネルギー施策の見直しを始めてはいかがでしょうか。
AI搭載 自家消費制御対応SolarView SC
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