2023/10/19
「Linux(リナックス)」は、オープンソースのオペレーティングシステム(OS)として、多くのPCサーバ用途で採用されています。Windowシステムやツール群を備えたLinuxも登場しており、デスクトップ/ワークステーションPCでも採用が進み、FAシステムや装置組み込みコントローラでも使われるようになりました。本記事では、Linuxの歴史的背景や主要なディストリビューション、現在の市場と産業用としておすすめのディストリビューションについて紹介します。
Linuxは、1991年にリーナス・トーバルズ氏によって開始されたフリーかつオープンソースのオペレーティングシステムです。UNIXをベースに設計され、その可搬性とセキュリティ、カスタマイズの自由度から多くのエンジニアや企業に支持されてきました。
OSS Upstream Communityから生まれたLinuxは、ディストリビューションという単位で配布されます。ディストリビューションとは、以下を組み合わせて一つの完全なオペレーティングシステムとしてパッケージングしたものです。
主要なディストリビューションとしては、Webアプリケーション系として発展したDebian系、業務用として発展したRed Hat系があり、用途などに最適化された派生のディストリビューションも数多く生まれました。
Debian系の有名なディストリビューションにはUbuntuがあり、Red Hat系はRed Hatの無料版から生まれたFedora、Fedoraをベースに開発されたRHEL(Red Hat Enterprise Linux)、CentOS(Community ENTerprise Operating System) Linuxなどがあります。
各ディストリビューションの特徴は、以下の通りです。
例えば、Ubuntuはデスクトップ利用やWebサーバとしての利用が多い一方、RHELやCentOSはサーバ用途での利用が一般的です。
近年、クラウドの普及とともにLinuxの採用が急速に進んでいます。AWS, Google Cloud, Azureなどの主要なクラウドプラットフォームではLinuxが広く利用されており、コストパフォーマンスやセキュリティの観点からも注目されています。
Q-Successの発表した2023年9月1日時点のWebサイト向けLinuxディストリビューションのシェアでは、1位がUbuntu(31.7%)、2位Debian(16.7%)、3位CentOS(7.9%)でした。
エンタープライズ市場においてもLinuxのシェアは増加傾向にあり、特にオープンソース技術の導入を進める企業が増え、RHELやCentOS Linuxが採用されてきました。CentOS Linux 8 は2021年末でサポートが終了となり、CentOS Streamは、RHELの事前検証用OSの位置づけであり、産業用途としてはRHELとの互換性や安定性の面で問題があります。今後、無料で利用可能なRHELクローンとしては、AlmaLinux、MIRACLE LINUX、Oracle Linux、Rocky Linux などがあります。
コンテックは、産業用コンピュータ・PCベース計測制御システム・産業 IoTのソリューションを提供しています。PCベース計測制御システムでLinuxを選択されるお客様に向けてLinux対応のドライバを提供しています。
また、産業用コンピュータでは主要なディストリビューションで動作検証を行った結果をまとめた動作確認書を提供しています。
コンテックでは各種ディストリビューションで評価検証した結果をまとめた「動作確認書」を提供しています。評価検証したディストリビューションおよびバージョンは「動作確認書」でご確認ください。
CentOSがCentOS Streamに移行したことで、多くのユーザーが代替のディストリビューションを求めるようになりました。その中で、特に産業用途に強いのが国産のLinux OS「MIRACLE LINUX」です。MIRACLE LINUXは、国産Linuxディストリビュータとして長年の実績を持つサイバートラストが開発したRHELクローンOSです。
CentOS後継として、かつ日本のサービスレベルに求められる機能やサポート体制を持っている点が大きな特徴です。高い信頼性が求められる産業用ならMIRACLE LINUXが有力な選択肢といえるでしょう。
コンテックは、技術問い合わせ、アップデートサポート (アップデート情報の通知、バージョンアップ版・修正モジュール・エラッタ情報の提供)など通常有償(別途契約)となるサポートを最大12年間提供するサポートサービスをバンドルしたFAコンピュータを提供しています。通常Linux OSのサポートサービスは別途ディストリビュータと契約して提供を受けるものですが、コンテックのFAコンピュータであれば、Windowsと同様にOEMである当社がハードウェアと一体でサポートサービスを提供します。問題が発生した際に、ハードウェアベンダに問い合わせるべきか、OSベンダに問い合わせるべきかの切り分けが不要です。
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Linuxの世界は、ディストリビューションの変遷や新たな技術の導入、産業界でのさらなる採用が予想されており、常に進化しています。これから産業用のコンピュータにLinuxを採用する際は、サポート期間やサポート体制なども考慮に入れ、より利用しやすいディストリビューションを選ぶことが重要です。
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