自動車パーツ用の仕分けシステムをリニューアル自動車補修パーツ・アクセサリーの仕分け業務にデジタルアソートシステムが活躍
350カ所以上ある全国のディーラーから年間300万件の補修パーツ・アクセサリーを輸入販売されているのが、フォルクス ワーゲン グループ ジャパン株式会社様(以降フォルクス ワーゲン グループ ジャパン社)です。同社は、注文を受けたパーツを円滑に配送先別に仕分ける現場にデジタルアソートシステムを採用され、作業効率の向上およびコストダウンの実現に役立っています。同社では、デジタルアソートシステムを「ソーティングラックシステム」と呼んでいます。
ドイツに本社を置くVOLKSWAGEN AGの日本法人、フォルクスワーゲングループ ジャパン社(VGJ、本社:愛知県豊橋市)の豊橋インポートセンター(同市)は、フォルクスワーゲンのほか、同グループのブランドに属するアウディ、ベントレーなどの車両や純正パーツ・アクセサリーを輸入販売しています。
豊橋インポートセンターのパーツデポでは、全国350カ所以上のディーラーやサテライト店舗から1日平均9,000件あるパーツ・アクセサリーのオーダーを即日出荷する体制を整えています。また、船便でドイツ本社から輸入するパーツ・アクセサリーは、入荷まで2カ月間を要するため、常に3カ月分の在庫を確保しています。
17万8,000平米の広大な敷地のVGJ豊橋インポートセンター。
ディーラーへの納車を待つフォルクスワーゲン車。
パーツデポでは1993年の設立当初より、パーツ・アクセサリーの仕分け用に独自に構築した「ソーティングラックシステム」を使用しています。これは、デジタルアソートシステムをベースにした仕組みで、商品を出荷先別に棚へ分配し荷揃えするシステムです。
出荷商品の仕分けは、倉庫から出庫した商品に貼られたバーコードをステーション台車で読み取ると、台車に搭載したステーション端末にソーティング棚のレーン情報が表示され、同時に投入位置の表示器が点灯する仕組みです。作業者は点灯した所に商品を投入し、表示器をタッチして消灯。オーダーが完了するまでこの作業を繰り返します。
出荷商品がすべて揃ったレーンは、出荷側の表示器が点灯します。出荷側の作業者は、背後の箱詰めエリアで商品のバーコードを読み取り検品してから箱詰めします。
初期のソーティングラックシステムでは、約5万種類の部品在庫からオーダーごとにピッキングした商品を6ゾーン(192レーン)のソーティング棚に仕分けていました。しかし、車両の販売台数拡大に伴い、パーツ・アクセサリーの注文量も増加。また出荷先数の増加によるソーティングラックシステムの仕分け間口数の不足や、表示器の誤動作・断線など運用上の問題が発生していました。
パーツのバーコードをステーション台車で読み取ると、端末にレーン情報が表示される。
ソーティング棚。箱詰めが完了したレーンは表示器をタッチして消灯する。
システムの中核となる管理パソコンや作業支援のステーション端末には、年間350日稼働の過酷な運用にも耐えられる高い信頼性が要求されます。この条件をクリアする製品として、管理パソコンにはコンテック製FAパソコン「VPC-1000シリーズ」、ステーション端末には小型パネルコンピュータ「PT10シリーズ」が採用されました。これに(株)コンテックソフトウエア開発が手掛けた制御ソフトウエアを組み込み、4ゾーン分(128レーン)のソーティング棚を拡張、さらにすべての表示器をLAN形式のものにして省配線化。2010年10月にリニューアルが完了しました。
リニューアル後は1レーンに1配送先を割り当てて運用することにより、作業時間を大幅に短縮。年間約300万件のオーダーを迅速に処理できるようになり、2,000から3,000万円のコストダウンを実現しました。
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ピッキング表示器を用いた種まき方式で仕分けの作業効率アップ、省人化、省スペース化、誤仕分け低減を実現します。
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