子どもの安全を守る「登下校ミマモルメ」に堅牢性の高いボックスコンピュータ®を採用
地域の安心・安全を守るため、児童の登校状況を保護者に伝えるサービス「登下校ミマモルメ」を開発し、その普及に勤める阪神電気鉄道株式会社。サービスの提供にもっと大切なことは、過酷な環境にも耐えうる堅牢性を備えたハードウェアである。そんな視点から選んだのはコンテックのボックスコンピュータであった。
「阪神あんしんサービス 登下校ミマモルメ」は、通学する地域の子どもたちの様子を保護者に伝えることで、安心を届けるサービスだ。「登下校ミマモルメ」には登下校メールと一斉メールという2種類のメールサービスがある。登下校メールは、子どもたちが校門を通過すると、校門に設置された受信アンテナがランドセルのICタグの情報をキャッチして、登録されたメールアドレスにメールを自動配信してくれるというもの。また、一斉メールは学校からのお知らせをメールで素早く、確実に保護者のもとへ配信するというサービスだ。
このサービスを提供しているのが阪神電気鉄道株式会社(以下、阪神電鉄)だ。しかし、なぜ鉄道会社が地域のセキュリティを手がけるのだろうか。阪神電鉄の新規事業推進室 課長・西岡克馬氏は、その理由を「阪神電鉄の企業理念が地域に安心をお届けすることだからです」と説明する。
阪神電鉄は大阪と神戸を結ぶエリアで鉄道事業を行っているが、鉄道事業のほかに不動産事業やエンタテインメント事業も展開。沿線に暮らす人々に、安心・快適・夢・感動を届けることをミッションに多彩な事業を行っている。「登下校ミマモルメ」も、鉄道会社として取り組んでいた「あんしんグーパス」というサービスが下地になって開発された事業なのだという。「『あんしんグーパス』は、塾や学校に通う子どもたちが乗車ICカードを使って改札を通ると、登録されたアドレス宛てに通過情報が配信されるサービスです。これが好評だったため『登下校ミマモルメ』が開発されました」(西岡氏)。
阪神電気鉄道株式会社は、地域に安心を届けるために「登下校ミマモルメ」をスタートさせた
システム構成イメージ図
2011年4月より、「登下校ミマモルメ」は有料サービスとして正式にリリース。それまではトライアル期間が設けられて、どのメーカーのコンピュータを採用するかも検討が重ねられた。
「こういったサービスを提供する際に重要視しなくてはいけないのは信頼性です。校門のそばに設置する機器は、収容盤には入ってはいますが、常に屋外に置かれることになります。当然、夏は暑く冬は寒い。そういった過酷な環境の中でも故障しないことが大切なのです。また、通過情報が登録アドレスに送信されるときにタイムラグがないなど、正確に動き続ける機器でなくてはいけません」(西岡氏)。
厳しい審査を経て、採用されることになったのはコンテックのボックスコンピュータ。西岡氏は「機器の調査はグループ会社のアイテック阪急阪神株式会社が担当したのですが、信頼性においてコンテックさんの製品が他社製品を寄せ付けなかったというのが正直なところです」と高く評価した。子どもや学校に関連するサービスは、保護者同士、学校同士の連携が強く、口コミでの情報伝達速度が速いため、少しでも問題が起きれば、サービスを普及させることはたちまち困難な状況となります。「2011年にスタートしたサービスは順調に拡大していて、現在は450校以上に導入していただいております。ボックスコンピュータは、登下校メールのシステムに採用しているのですが、登下校メールと一斉メールの利用者数は合わせて25万人を超えるまでになりました」(西岡氏)。
また、故障が少ないということは、信頼を獲得できるほか、メンテナンスにかける手間や時間を削減できるということでもある。さらに、ボックスコンピュータはカスタマイズしなくてもインターフェイスなどが充実しており、学校ごとに仕様を変更せずに導入することが可能。それだけ設置の手間も抑えることができた。
今後は「『登下校ミマモルメ』を全国展開していきたい」と語る西岡氏。さらなる事業拡大について語る西岡氏の言葉には、コンテック製品への確かな信頼が感じられた。
酷暑の夏も記録的な雪の降った冬も問題はなし。堅牢性に関して高い信頼を獲得した
登下校する子どもたちが校門を通ると、受信アンテナがICタグを読み取る
地域に安心と安全を届けるためにメールによる連絡網「登下校ミマモルメ」を開発。ただ、コンピュータなどを組み込んだ機器収容盤は常に屋外に置かれることになるため、過酷な環境にも耐えられる強固な産業用コンピュータを採用する必要があった。そこで、さまざまなメーカーのコンピュータが検討された。
ボックスコンピュータを採用することによって、堅牢性の高いシステム構築が可能になった。また、ボックスコンピュータは標準で豊富な拡張インターフェイスを装備しているため、学校ごとにカスタマイズをしなくても導入することができた。さらに学校から信頼いただけたことで、口コミにより新たな導入先が次々と確保できるようになった。
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