エンジン自動運転データ収集装置での活用計測・制御試験装置をお客様の仕様に応じて一品ずつ生産
富士計測システム株式会社様の「エンジン自動運転データ収集装置」は、自動車をはじめ二輪車、自動車部品、建機・重機、石油など各種メーカーのエンジンに係わる幅広い分野で採用されています。この装置にはWindowsベースのパソコンが使用され、コンテックの計測制御用インターフェイスボードが拡張ユニットに実装されて組み込まれています。
省エネルギー、CO2排出量削減、地球温暖化防止など、環境対策がクローズアップされる昨今、自動車エンジンにおいても性能追求はもとより高効率、低燃費、低排出ガスなど、あらゆる視点からの研究・開発が絶え問なく続けられています。そのような中、試作・検証の場では、エンジンの各種運転パラメーターを自動制御し、評価要素を計測・分析する装置が求められています。
富士計測システム(株)殿(本社:埼玉県川越市)は、自動車エンジンの研究・開発・評価のための計測・制御試験装置を顧客の要求仕様に応じて一品ずつ生産。研究開発に必要なデータを収集する総合試験設備をはじめ、高い精度と信頼性を誇る測定機器や試験業務に必要なコンディション作りをサポートする周辺機器、試験業務の効率化とスピードアップを可能にするトランスファシステムなど、数多くの製品・システムを提供しています。特にエンジン関係の製品は、メーカーの最高機密に属する部分であるため、今までに培われた信頼のもと、設計から製造、検査、納品までを一貫して請け負っています。
エンジン自動運転データ収集装置
同社主力の「エンジン自動運転データ収集装置」は、自動運転のための各種制御パラメーター(エンジン回転/トルク、スロットル開度、油/水温度)の設定を行い、運転しながら100を超える計測チャネルで回転、トルク、温度、圧力、燃費などをコンピュータで自動計測します。そのデータを高速演算処理で解析し、出力することでエンジン開発における評価試験の効率化、スピードアップを実現しています。自動車をはじめ二輪車、自動車部品、建機・重機、石油など各種メーカーのエンジンに係わる幅広い分野で採用されています。
この装置にはWindowsベースのパソコンが使用され、コンテックの計測制御用インターフェイスボード(デジタル入出力、アナログ入出力、カウンタなど)が拡張ユニットに実装されて組み込まれています(図1)。
試験装置をパソコン化する以前は、試験項目が追加されるとメーター・表示器も増えていくので装置の大型化が避けられませんでした。パソコン化してからは、ソフトの変更だけで対応でき、さらに画面切り替えによってさまざまな情報を表示することができるようになりました。
図1 エンジン自動運転データ収集装置
Windowsは、プログラムを扱える技術者が多く、ユーザーインターフェイスが優れているため、各種試験パラメーターを設定入力する部分や、測定したデータを解析し、結果を表示するメーターやトレンドグラフ、レポート作成機能などを顧客の仕様に従って手軽に作り込むことができます。反面、機械を制御するようなリアルタイム処理には向いていないため、従来は別のマシン(PLCまたはDOSベースのパソコン)で処理を分担させていました。
この状況を何とか1台でできないか検討していた中で、Windowsと共存してリアルタイム動作を実現する拡張ソフトウェア「INtime(インタイム)」の情報を得て採用に至りました。 INtime導入後は、Windows管理下で演算処理とユーザーインターフェイス処理を、INtime管理下で装置制御のリアルタイム処理を実行させることにより、1台のパソコンに集約。小型化・省資源化を実現しました(図2)。
さらに最近の装置は、マルチモニタ(2台のディスプレイを1つの画面に見立てて表示)に対応しており、表示項目を増やして自動運転中のデータをより見やすく、分かりやすくしています。
コンテックでは、計測制脚用インターフェイスボードをINtimeで動作させるための各種技術情報も提供しており、お客さまのシステム構築を支援しています。
図2 INtimeシステム概要 「INtime」はWindowsパソコンにリアルタイム性を付加する拡張ソフトウェア。これまで別のマシンに分担させていたリアルタイム処理を1台のパソコンで手軽に実現できる。 国内での販売、開発は株式会社マイクロネットが行っている。 http://www.mnc.co.jp
同社は2008年、「第4回渋沢栄一ベンチャードリーム賞」大賞を受賞。国内唯一の連続重量方式による「自動車エンジンのオイル消費計」や世界最高レベルの分析能力を持つ「ナノ粒子測定装置」を手掛けるなど、独創的な技術力が評価されました。同賞は、日本近代経済社会の礎を築いた、埼玉県出身の渋沢栄一翁にちなんだ栄えある賞で、県内の産業の活性化とベンチャー企業の発展促進、社会に役立つ事業を展開する企業に贈られています。 近年、エンジンに関する技術は環境対応へ向け、技術革新が進んでいます。当社もこの流れに沿って、地球環境保全の一翼を担えるよう努めていきます。
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