株式会社岩崎電機製作所様

サイバーテスター®にCTO対応コントローラを採用 ワイヤーハーネスの品質管理に貢献

「不具合を発生させない仕掛け作り」で岩崎電機製作所殿が開発された「サイバーテスター」。このシステムにコンテックのCTO対応コントローラが採用されています。品質管理の向上に一役買っています。

キーワード
  • 検査・計測装置
業種
  • 製造業
目的
  • 省スペース化
  • コストダウン

自動検査装置「サイバーテスター」にコンテックのCTO対応コントローラを採用

創業以来40年にわたりワイヤーハーネスを手掛けている株式会社岩崎電機製作所殿(本社:兵庫県篠山市)。コンピュータによるワイヤーハーネスの自動検査装置「サイバーテスター」を独自に開発し、品質向上に取り組んでいます。また、日本と同等品質以上の製品をより低コストで生産すべく、2002年に稼働したべトナム工場でも、同テスターを導入し、品質の維持・向上を図っています。

ワイヤーハーネス(以下ハーネス)とは、産業用ロボットや自動車など電気を使用する機器内で電源を供給したり、信号を伝えたりする電線を束にまとめた物で、ヒトの体に例えれば血管や神経の束に相当し、大変重要な役割を担っています。ハーネスには、1本のケーブルの両端に接続用のコネクタを付けただけの単純な構造の物から、長さや太さの違う何本ものケーブルを束にした複雑な物まで多種多様にあります。

サイバーテスター用コントローラ

不具合是正に、ときには1ヵ月も

製品の検査は、「不良品を外部に出さない」という視点で仕掛けを作ると、チェック項目が増えて時間とコストが膨らみます。「不良発生をフィードバックする」体制は、一般的には検査員が不具合に対する是正書を発行し、製造担当者が原因を分析して、製造部門のリーダーが対策を立案し、製造部門にフィードバックする・・・という流れになります。しかし、つい後回しになりがちで、報告書が提出されるまで早くて1週間、ときには1ヵ月という時間を費やします。工数費用がかかるだけでなく、対策が決まった時点ではすでに陳腐化しているというケースも発生します。

自動検査装置「サイバーテスター」

「不具合を発生させない仕掛け作り」を追求し、サイバーテスターを開発。2006年から国内工場とベトナム工場に導入を開始し、ノウハウを蓄積しながら機能改善を続けた結果、2008年から急激に不良率が低下したという実績を挙げています。特にベトナム工場では、素直な国民性から新しいことに取り組む意欲も高く、積極的にサィバーテスターを活用したことで一段と品質が向上し、現在は国内よりも高い品質を維持できるようになっています。もともとベトナム人は勤勉で手先が器用なため、繊細なハーネス作りに適性があります。しかし、不良が発生した後の対応を教えるには難しい面がありました。サイバーテスターの導入で不良を確実に捕らえることができ、簡単に修正できるようになったことが品質向上に大きく貢献しています(図1)。

ハーネス検査をするには、事前に被検体となるハーネスの各端子間の情報を品種ごとに「リファレンス」と呼ぶデータテーブルに登録します。サイバーテスターはそのリファレンスを参照しながら一方のピンに出力した信号が、他方のピンに正しく入力されるかを検査することで、ケーブルの不具合(誤配線、短絡、断線)を自動で判断します。併せて、外観など目視検査の結果は手入力します。

サイバーテスターが不具合を見つけると、不具合個所と手直し項目のレポートを発行し、手直しを指示します。同時にデータベースに実績を蓄積します。ある程度データが蓄積されると、今度はそのデータから傾向を抽出し、作業者に「この製品は、この部位でこんな不具合が起きやすいですよ・・・」と知らせて注意を促し、不具合の発生そのものを抑えることができます。すなわち、不具合を発見する装置から、不具合を未然に防止するシステムへと構築されていきます。

コンテックとの共同開発でコスト1/2、コンパクト化を実現

ハーネス検査の自動化の取り組みが業界でも知られるところとなり、販売して欲しい、売らせて欲しいとの声が掛かるようになりました。従来は市販のパソコンにコンテック製のデジタル入カ・出力ボード複数枚(I/O拡張ユニットに実装)を使ってテスターを構成していました。2009年10月、販売を視野に入れ、サイバーテスターとして必要な機能を持った専用の「サイバーテスター用マルチシグナルI/Oコントローラ」をコンテックと共同で開発。導入コストでほぼ1/2、大きさも182W x 456.5D x 35H(mm)のコンパクトサイズを実現しました(図2)。また、ソフトウエアも作業者の改善提案をすぐに取り込んで改良しているため、すでにバージョン100を超えるほどに磨き込まれています。

お客さまプロフィール

品質保証とは、製造工程で品質を作り込むこと

株式会社岩崎電機製作所 経営企画 品質保証室 室長
川西 哲詩様
コンテックさんとの出会いは、今から30年ほど前になります。NEC製パソコンPC-9801シリーズが発売され、誰もが使うことのできるこのパソコンにAD変換器(ボード)が搭載できるというのは、当時の私にとっては画期的なことでした。それがきっかけで、コンテックさんのボードとのお付合いが始まり、今日のサイバーテスターに至っています。品質保証とは、製造工程で品質を作り込むことだと、私自身考えていますが、「人為的なミスを極限まで排除するためには・・・」の命題は、どのような業種であれ、同じだと思います。そのひとつの回答として、コンピュータと製品が持つ品質特性をいかにインターフェイスするかを考えます。その問いに、いつも答えてくれるのが、コンテックさんのソリューションでした。

日本品質管理学会 関西支部幹事
日本科学技術連盟 品質管理講師

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