コンテックのBX-110nを導入した決め手はどこにあったのだろう。
「高度な制御が実現可能なデバイスであるFPGAを当社仕様にカスタムしていただける対応力は大きな決め手でした。高速高精度なレーザー加工制御を実現する制御をFPGAに組み込むことによって、当社の制御技術のブラックボックス化も実現できました」(西中氏)。
しかし、開発において難点もあったという。
「当社が実現したい高度なレーザー加工制御を組み込むことも難しいのですが、それと同時に装置全体の制御を実現できるようにすることも必要でした。我々の開発するレーザー加工装置と、コンテックさんが開発する制御コントローラを同時並行で手がけなければいけなかったので、制御コントローラの試作機開発からレーザー加工装置の実証検証までに約4年をかけました。これは、私たちの細かな要望を我慢強く聞き入れて、それに沿ったハードウェアの作り込みを進めてくれたコンテックさんの力があってこそ。柔軟な対応力と高い技術力で当社独自の制御コントローラを開発することができました」(西中氏)
コンテックのBX-110nは省スペース設計が施されたもの。これによって今回、新たに開発されたレーザー加工装置LPMシリーズの小型化にも成功している。
「レーザー加工装置の小型化には大きなニーズがあります。高い精度の高速レーザー加工技術をそのままに、より汎用的なレーザー加工を実現する装置に仕上がったと自負しています」(西中氏)
広がるニーズに応えるだけでなく、高性能かつ、装置の小型化も実現したレーザー加工装置には大きな可能性もあるという。
「これまでの加工対象は主にガラスでしたが、LPMシリーズではユーザーのご要望に応じて、ガラス以外の材料の加工にも展開していきたいと考えています。加工対象によって適切なレーザー波長のレーザーエンジンを選択できるので、さまざまな材質のレーザー加工が可能になりました。これまで以上に拡大するニーズにも十分お応えできるものと思っています」(西中氏)