三星ダイヤモンド工業株式会社様

レーザー加工装置の小型化を実現したBX-110n
PLCでは実現困難であった「高速」「高精度」なレーザー加工技術を武器に世界へ挑戦

「様々なガラスに対する高品質加工技術」を駆使し、あらゆる硬脆性材料加工のプロセス確立と、そのための装置・工具を創り出す三星ダイヤモンド工業株式会社。今回の新製品開発には、高速高精度なレーザー加工技術の実現と、設計・技術資産の流出防止(制御技術のブラックボックス化)も重視されていた。確かな技術力に高い信頼性を備えたビジネスパートナーを探していたときに、出会ったのがコンテックの制御コントローラ。高いパフォーマンスで、新商品開発が軌道に乗った。

キーワード
  • 制御装置
業種
  • 製造業
目的
  • 機能強化
  • 省スペース化

自由度の高いレーザー加工技術を高速高精度で実現するために

1935年の創業以来、長年培ってきた知見と実績、高い技術力を駆使し、世界のフラットパネルディスプレイ(FPD)産業を支えてきた三星ダイヤモンド工業株式会社。FPDだけでなく太陽電池、LEDなど、様々な材質・サイズ・構造の硬脆弱材料の加工に関する最新のソリューションを創出し続けている。

「近年、ガラスを自由形状でレーザー加工(異型加工)したいというご要望が増えるなかで、加工精度を落とさずに、かつ高速で加工できる制御コントローラの開発を模索していました。それと同時に高精度加工を可能にする制御技術を当社のレーザー加工装置に導入するならば、制御技術の外部への流出防止(ブラックボックス化)も必須でした。しかし、当社の現行システムでは、その両面を実現するには限界があったのです」(開発本部 レーザー事業プロジェクト 開発グループ 西中健一氏)

高い技術力を維持しつつ、技術資産の流出防止も実現させるという難しい課題を突破するには、信頼性の高い高性能なシステムとパートナーの選定が必要だった。

「過去に当社がシステムをお願いしたことのある企業さんから精査させていただいて、もっともスキルが高く、かつビジネスパートナーとして信頼がおけると考えたのがコンテックさんでした。当社独自の制御コントローラを共同開発する上で重要な、対応の柔軟性、対応力の迅速さもまた、過去の経験から折り紙付きでしたので、安心感を持って開発の企画を持ちかけることが出来ました」(西中氏)

BX-110nが搭載されたレーザー加工装置。(装置寸法:1660(W)×1540(D)×1500(H)mm)

システム構成イメージ図モーダルで開く

レーザー加工装置の小型軽量化も実現!新たなレーザー加工技術導入も

コンテックのBX-110nを導入した決め手はどこにあったのだろう。
「高度な制御が実現可能なデバイスであるFPGAを当社仕様にカスタムしていただける対応力は大きな決め手でした。高速高精度なレーザー加工制御を実現する制御をFPGAに組み込むことによって、当社の制御技術のブラックボックス化も実現できました」(西中氏)。

しかし、開発において難点もあったという。
「当社が実現したい高度なレーザー加工制御を組み込むことも難しいのですが、それと同時に装置全体の制御を実現できるようにすることも必要でした。我々の開発するレーザー加工装置と、コンテックさんが開発する制御コントローラを同時並行で手がけなければいけなかったので、制御コントローラの試作機開発からレーザー加工装置の実証検証までに約4年をかけました。これは、私たちの細かな要望を我慢強く聞き入れて、それに沿ったハードウェアの作り込みを進めてくれたコンテックさんの力があってこそ。柔軟な対応力と高い技術力で当社独自の制御コントローラを開発することができました」(西中氏)

コンテックのBX-110nは省スペース設計が施されたもの。これによって今回、新たに開発されたレーザー加工装置LPMシリーズの小型化にも成功している。
「レーザー加工装置の小型化には大きなニーズがあります。高い精度の高速レーザー加工技術をそのままに、より汎用的なレーザー加工を実現する装置に仕上がったと自負しています」(西中氏)

広がるニーズに応えるだけでなく、高性能かつ、装置の小型化も実現したレーザー加工装置には大きな可能性もあるという。
「これまでの加工対象は主にガラスでしたが、LPMシリーズではユーザーのご要望に応じて、ガラス以外の材料の加工にも展開していきたいと考えています。加工対象によって適切なレーザー波長のレーザーエンジンを選択できるので、さまざまな材質のレーザー加工が可能になりました。これまで以上に拡大するニーズにも十分お応えできるものと思っています」(西中氏)

豊富なレーザーエンジンと専用設計された光学エンジンで微細加工、異形加工など各種加工に対応

アプリケーションを使って加工の指示出しを行う。多彩な加工を直感的に把握することが可能だ

ボックスコンピュータ® マルチシグナルI/O搭載モデルBX-110nシリーズ

  • 省スペース設計
    • 一般的な19インチラックマウント型パソコンの約1/20の容積を実現
  • 被検物の特性を確実に捉える
    • 拡張ボードの組み合わせでは不可能なハードウェアのリアルタイム同期制御機能を実現
  • 装置の省エネルギー化に貢献
    • インテル社の低消費電力プラットフォームを搭載

BX-110nシリーズ DIT-1000

導入のポイント

課題

自由度の高いガラスの曲線加工(異形加工)へのニーズが高まり、高性能なレーザー加工技術の開発が必要となった。また、制御コントローラに用いられているプログラムの外部流出を阻止するブラックボックス化も急務となる。

成果

より高速高性能な曲線加工が可能になったことで、これまで以上に幅広い顧客対応が可能に。ブラックボックス化にも成功し、セキュリティ対策も万全になった。しかもコンピュータの小型化により装置の省スペース化にも貢献。

お客さまプロフィール

三星ダイヤモンド工業株式会社 開発本部 レーザー事業プロジェクト開発グループ/博士(工学)
西中 健一様
コンテックさんとの共同開発から、当初目標であった高性能なレーザー加工装置をつくることができたことで、大きな手応えを感じています。クオリティを最大限まで引き上げてくれる対応のお陰で、満足度の高い商品になりました。今後はさらなるCPUの高速高性能化などへの欲も出てきました。

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