シリコンインゴットスライス加工の量産体制を支える製造実行システム(MES)月産数百万枚のシリコンインゴットをスライス加工する新工場で活躍
ソーラーパネルやLEDに用いられる電子材料のスライス加工に不可欠な、切断用工具であるダイヤモンドソーワイヤ「DINA-PRISM」の製造と販売を行っている株式会社中村超硬様(以降中村超硬社)。同社は、独自のダイヤモンドワイヤー技術を開発。この技術でシリコンインゴットのスライス加工を事業化されています。この製造工程の管理に「製造実行システム(MES)」が採用され、作業効率・品質の向上、およびコストダウンの実現に役立っています。
中村超硬社は、超硬合金、PCD(多結晶ダイヤモンド焼結体)といった高硬度の材料を加工して精密機械部品や治工具を製造するメーカーです。近年では、ソーラーパネルやLEDに用いられる電子材料のスライス加工に不可欠な、切断用工具であるダイヤモンドソーワイヤ「DINA-PRISM」の製造と販売を行っています。
ダイヤモンドソーワイヤは、独自のダイヤモンド粒子の固定方法を開発、高性能かつ低価格を実現した製品を提供しています。
中村超硬社様は、この技術で平成24年度の第4回ものづくり日本大賞の「経済産業大臣賞」を受賞されました。
スライス加工を行う和泉工場(D-Next)
経済産業大臣賞を受賞されたダイヤモンドソーワイヤ
中村超硬社は、大手電機メーカーからシリコンインゴットのスライス加工を受託しましたが、生産のトレーサビリティや稼働率など高度な情報管理が必要で既存の基幹システムでは対応できませんでした。そのため内製ツールや伝票による管理を行っていましたが、多くの手間がかかり手作業のためミス等も多く様々な問題を抱えていました。
こうした背景と月産数百万枚の増産に対応するため、業務の効率化を目的とした、コンテックの「製造実行システム(MES)」を導入することになりました。システム依頼から納品までは、通常1から2年要する期間を新工場での操業に合わせ8ヶ月という短期間で納品しました。
スライス加工の製造工程
中村超硬社では、実際に生産されていた生産数の20~30倍に加工数を予測し増産時にも対応できるシステムを構築しました。
コンテックでは、中村超硬社からの細かなヒアリングと要望を加味し、スライス加工業へのシステム導入の実績をもとに開発に至りました。このMESは、「D-COREシステム」の名称で親しまれています。
システム構成図
MESシステムによる生産プロセスの標準化と製品管理・品質データの一元化により品質とコスト目標を達成しました。
共につくりあげていくパートナー
近年、製造業では、製品ライフサイクルの短期化や多品種少量生産といった時流に対応するために生産リードタイムの短縮だけでなく、品質向上や低価格化など競争力を強化し、企業総合力を高める必要性に迫られています。そのためには、生産現場だけでなく、経営層、各部門など全体の最適化が必要となっています。コンテックでは、製造業の最適化を図るMES構築を支援します。
開発元:株式会社コンテックソフトウェア開発
ソリューションお問い合わせ
導入事例一覧へ戻る