ユアサ工機株式会社様

お天気カメラ放送の中継映像や遠隔監視のカメラポールシステムに一役

「ただいまの○○の様子をお送りします」というナレーションとともに、テレビの天気予報画面の背景に映る景色映像。このいわゆるお天気カメラには、特定のビルの屋上などに設置している物と名所旧跡に設置している物があります。ビルの場合は固定されていますが、名所旧跡では景観を損なわないように伸縮ポールを使用しています。撮影するときだけポールを伸ばしてカメラを上昇させ、撮影が終わるとポールを縮めて、ひっそりと茶屋の陰に身を隠しておく、そうした配慮がなされています。
このようなお天気カメラや監視カメラのほか、放送局の中継車に搭載される油圧式伸縮ポールで高いシエアを持つのが、ユアサ工機(株)殿(本社:岡山市北区)です。

キーワード
  • 計測・制御
業種
  • 運輸・交通
目的
  • 省スペース化
  • 業務効率向上

新“お天気カメラ”に薄型ボックスコンピュータを採用

従来のお天気カメラでは、ポール上のビデオカメラからの映像信号は、ポールに沿って巻き付けた同軸ケーブルを通じて地上の装置で受信し、放送局へ送っていました。また、ビデオカメラの撮影(開始、終了)、方向(旋回、仰角)制御も放送局からの指令を通信回線で受け、制御信号ケーブルでポール上のカメラに送られていました。ポールの昇降、旋回俯仰ユニットの制御には独自のコントローラを製作していましたが、webカメラなどデジ夕ル化への対応、遠隔操作、状態監視などシステムの高度化を検討していました。制約のある筐体スペースに設置でき、情報通信、制御、映像処理を行うのに充分な能力を持つなどの条件を満たしたコンテックの薄型ボックスコンピュータ BX-100nが採用されました。
BX-100nはアナログ/デジタル入出力とLAN機能を内蔵し、厚さ35mmの小型サイズ(182W x 270D x 35H[mm])。 無人、遠隔地での設置に適したハードディスクレス(CFカード採用)、ファンレス、スリットレスでメンテナンスフリーな高信頼の産業用パソコンであることが評価されたものです。

カメラポールの上部ユニット(左)、ポール上昇時(右)

デジタル化により、インターネット経由から無線LANで遠隔操作

お天気カメラポールシステムの主な特長

  • HDTV対応の小型ネットワークカメラをポール上に搭載し、ハイビジョン撮影が可能。
  • 撮影動画像を遅延なく、少ないデータ量で効率よく伝送する動画圧縮技術を採用。
  • ポール昇降、旋回俯仰ユニットによるカメラの方向(上下左右)、撮影制御をインターネット経由で遠隔地から操作可能。
  • 画像のダウンロードに無線LAN(コンテック製 FX-DS540シリーズ)を採用し、ケーブルレスを実現。
  • ポール上部制御ボックスにバッテリを搭載し、電源ラインの引き回しを排除。
  • 太陽光発電パネルを設置し、昼問のポール縮小時に自動充電(予備機能としてAC100Vからも充電可能)。
  • インターネット経由で、状態監視可能。設備異常時にはE-mailで警報を通知。
  • 屋外設置の温湿度対策として、ポール上部制御ボックス、地上側制御盤にファンやヒータを設置。

遠隔監視ポールシステムとしても用途が拡大

このカメラポールシステムは、お天気カメラに限らず遠隔監視装置としても用途が拡大しています。従来はアナログ信号でビデオテープに録画していた監視画像を、デジタル化によりハードディスクに保存。インターネット経由での監視やダウンロードが可能になりました。これは、お天気カメラの機能を基本として、さらに下記の機能を付加しています。

  • カメラ画像内に動きがあった時だけ、自動的に録画。
  • 地上側制御盤に外付けハードディスクを組み込むことで、約1万8,000時間(約750日分)の録画が可能。
  • 保存日数の設定が可能で、古いデー夕は自動削除。

放送中継車用アンテナの方向調整を自動化

「○○の現場からお伝えします」というテレビレポーターの映像と音声は、現場の中継車に積まれたアンテナから放送局に電波で送られています。ここで大切なのは、アンテナを素早く正確に放送局に向けること。この調整に手問取ると、現場中継がつながらない、スクープ映像を逃す、という状況にもなりかねません。開発中の「自動方調(方向調整)システム」にもBX-100nを採用し、従来の人手によるリモコン操作などを自動化。GPSで中継車の位置を判定、ジャイロ方位センサで中継車の向きを検出して演算処理を行い、旋回ユニットを制御して、アンテナを放送局に早く正確に向けることができます。中継車には多くの機材が積まれており、スペースが限られています。従来は、車を安定させるジャッキとポールを昇降させる油圧制御に専用のコントローラを使用していましたが、BX-100nによりほぼ同サイズでシステム化することができます。

中継用アンテナポールのシェアは90%

お客さまプロフィール

小型高性能のボックスコンピュータでシステム構想が広がる

ユアサ工機株式会社 システム機器部設計課 主事
安田 悌司様
開発にあたり、昇降ポールの制御やお天気力メラの旋回制御、さらに映像のモニタリングをすべてインターネット経由で操作することが求められました。遠隔操作の手段や映像の無線伝送機器など、どれだけ多くの機器が必要かと試行錯誤の日々でしたが、ある日コンテックさんのボックスコンピュータ「BX-100n」に出会いました。LAN対応でインターネット接続が可能、アナ口グ&デジタルI/Oポートの搭載、さらに小型で省電力。必要としていたものがすべて1台に集約されており、今ではこれを使用して、お天気力メラシステムから遠隔監視カメラシステムへと内容を強化してシステムを構築しています。今後は、ポール上下部にそれぞれボックスコンピュータを使って、上下制御盤の独立制御を行い、さらに遠隔パソコンによる一括操作・監視も行えるようにシステム構想は広がります。

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