工場の遠隔監視もサブスクの時代。クラウドIoTの活用で強固なPM(予防保全)を実現

企業の生産工場やプラント工場などの生産現場では設備を最適な状態で維持管理を行い生産性の向上によって適切な利益を得ることが求められています。しかし、設備の老朽化、少子高齢化による動労人口の減少、熟練作業者の引退など、解決しなければならない課題が多くあります。

製造業などの設備の巡回・点検作業では、作業者がチェックシートを使って点検結果を記録しているケースが多くみられます。IoTを活用し点検業務を自動化すれば、設備の見える化や効率的な運用が可能になるだけでなく、データの分析により生産性の向上・品質改善が可能になります。

本記事では、IoT時代の工場設備遠隔監視の導入ポイントやクラウド型システム導入の必要性を踏まえながら、コンテックの提案する新しい遠隔監視システムについても紹介します。

目次

工場における遠隔監視の重要性

遠隔監視とは、設備から離れた場所でも設備やインフラの監視を可能にする仕組みです。カメラやセンサの情報、当該設備のコントローラの制御情報をネットワーク経由で監視する仕組みを構築することで実現可能です。

まだ多くの生産現場では、担当者による目視点検が行われており、比較的先進的な工場でも工場ネットワークを利用した設備監視が主流となっています。目視点検では現場を巡回するための人的なコストが必要となる他、迅速な設備状態の把握が不可能であること、点検時の事故などのリスクも考慮しなければなりません。また、工場ネットワークを利用した設備監視も、工場ネットワークにアクセス可能な場所に常駐する必要があります。

クラウドサービスを利用した遠隔監視であれば、設備の巡回作業や管理室などに担当者が常駐する必要がなく、場所や時間を問わず設備の監視が可能になるため、効率的な設備監視が可能となります。また、設備点検時の危険を伴う作業や、通常では見えない部分などの内部的な情報を監視することも可能です。企業活動における設備点検やインフラ維持の観点からも、遠隔監視の重要性は高まっています。

IoTを利用した状態基準保全 (CBM:Condition-based Maintenance)や予知保全 (PdM:Predictive Maintenance)は、企業活動における設備点検やインフラ維持の観点からも重要性は高まっており、クラウドを利用した遠隔監視により、維持費を押さえながら簡単に予防保全(PM: Preventive Maintenance)のDX化を実現する事が可能です。

工場設備の遠隔監視システム導入時のポイント

設備の遠隔監視システムを導入する場合、以下のポイントを考慮する必要があります。

  • 集めるデータは明確か?
  • 導入・運用に関するコストは適切か?
  • セキュリティ対策は万全か?

集めるデータは明確か?

遠隔監視システムを導入する場合には、具体的に目的と集めるデータを明確にすることが大切です。
理由は、集めるデータによって、データの収集方法、通信データ量やデータサイズや保存期間等を考慮する必要があり、導入コストや維持コストが異なるからです。

センサによる数値データであればデータ量が少なくコストを抑えやすいですが、カメラによる画像や動画保存などを扱えばデータ量増大に伴うコストも大きくなり、カメラや照明装置などに必要な導入コストも発生します。 そのため、導入する目的と収集すべきデータを明確にすることで、最適なシステムを選定し適切なコストで運用することができます。

導入・運用に関するコストは適切か?

遠隔監視システムの導入・運用には、さまざまなコストが発生します。

  • データ収集に必要なセンサや端末の導入費用
  • システム構築のためのソフトウェア導入や開発費用
  • データ収集のための通信費用
  • データの保存や見える化に必要なサーバの導入&運用コスト

特に自社で通信費用の管理やサーバ運用などを行う場合には、導入時のコストや維持・管理するための費用や技術的なスキルなどが導入の障壁となりえます。クラウド型システムであればサービス提供企業でサーバの維持管理や通信料金などが利用料金として明確なため、遠隔監視システム導入の敷居を低くすることが可能です。

セキュリティ対策は万全か?

遠隔監視システムでは、『IoT端末⇔サーバ』や、『サーバ⇔データ閲覧端末』の間で、データの通信が発生します。インターネットなどを経由すること多いため、データへの不正アクセスや改ざんといったセキュリティ面のリスクもあります。データの流出などが発生すれば企業にとって甚大な損失になることも考えられるため、通信の暗号化や2段階認証システムの採用など、セキュアな対策がされているかなどシステムを選定することは大切です。

コンテックが提案するクラウド型遠隔監視システム

工場では多くの設備や機器が稼働しており、設備の保守作業や稼働監視などの用途で、クラウドサービス、AIなどを使った異常検知/故障予知/保守管理/省エネや生産性の最適化といった分野でIoTの活用が広がっています。製造現場では多様なデジタル化による改善活動が行われており、今後ますますの市場規模の拡大が予測されます。
半面、初めて設備の遠隔監視などの取り組みを行う企業では、クラウドサービスや通信システムへの知識不足やセキュリティ対策への不安などによって遠隔監視システムの設計・構築や運用する上での難易度が高く、導入のためコストも大きくなっています。

ここで、コンテックが提案するのは、工場やインフラ設備で稼働している多くのPLC(Programmable Logic Controller)に専用のゲートウェイと接続し、収集したデータを可視化、蓄積、通知する機能を、専用クラウド型ソフトウェアサービスとして提供することで、より簡単に遠隔監視システムを導入できる『FacilityView® for PLC』です。

図1. FacilityView® for PLCのシステム構成

『FacilityView® for PLC』は、工場やインフラ設備で稼働しているPLCに専用IoTゲートウェイ機器 を接続、収集したデータを可視化、蓄積、通知する機能サービスをインターネット経由で提供するクラウド型ソフトウェアサービス (SaaS) であり、初期投資が不要で、サーバ運用保守、通信回線の管理を不要とした通信費用込みのサブスクリプションサービス (年額料金制) として提供します。

従来はそれぞれ、個別に用意する必要があった ゲートウェイ端末、モバイル通信網、クラウドサービスなどを、まとめて契約可能なので導入後すぐに遠隔監視を行うことができます。

FacilityView®シリーズは、「手軽に遠隔監視システムを導入してみたい」という、お客様向けのサービスです。簡単にPLCと接続可能な端末の他にも、電源がない場所でも遠隔監視システムを実現する電池駆動によるゲートウェイ端末など、お客様の利便性を向上する製品を展開していきます。


まとめ

日本では労働人口の減少が進んでいることもあり、人手不足の解消は重要な課題となっています。適切なDXの導入によって単純作業やミスを犯しやすい作業が自動化できれば、より付加価値の高い作業に従業員が従事することができるようになり、生産性の向上が可能となります。

FacilityView®を利用した遠隔監視のDXにより、設備管理業務の効率化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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