患者さんの入院生活をより快適にするためにベッドサイド情報端末の現在と未来への希望三宅医学研究所様の理想とコンテックに寄せられた大きな期待とは・・・
三宅医学研究所の理事長・三宅信一郎氏は入院患者のホスピタリティを重要視し、ベッドサイドにはパソコンを導入するべきだと考えていた。しかし、なかなか理想的なものが見つからない。そんなときに出合ったのがコンテック DIT-1000だった。この情報端末とコンテックという企業への期待値はかなり大きなものだ。
三宅医学研究所附属三宅リハビリテーション病院は、9年前の2004年に全面的に建て替えが行われ、60%ほどが個室となった。入院患者のホスピタリティを考え、ベッドサイドにはテレビを置いた。しかし、もともとこの病院を設計するときには、もっと情報を患者さんに提供しようと考え、そのためにはテレビではなく、パソコンを設置しようという考えがあった。
「パソコンならチューナーがあればテレビも見られるし、こちらから患者さんたちに向けて病院からも情報を直接届けられる。例えば紙に印刷して置いている『入院のしおり』と言われる施設の案内を画面でいつでも見られるようにするなどのことですね」(三宅医学研究所 理事長 三宅 信一郎 氏)
2004年以降、インターネットはますます普及し、仕事をしている人はもちろん、学生、なかにはお年寄りもインターネットを使う時代になった。現在、三宅リハビリテーション病院では全室に無線LANを通わせているが、医療情報系と一般情報系のネットワークは完全に分離させている。これには厚生労働省がセキュリティに関しての明確なガイドラインを示していないという現状がある。
「一般的に医療情報に関して『医療情報はセキュリティを担保しなければならない』という縛りがある。この縛りは非常に不便で、遠隔診断や遠隔医療と言われていますが、現実的にはMRIやCTなどの画像情報のやりとりに不便さがある」(三宅氏)
タッチパネルで直感的に操作可能。子供からお年寄りまで使う人を選ばない
ネットワーク構成イメージ図
インターネットと繋がる、コンテックの情報端末で今後何ができるようになるのだろうか。「回線をコンビニと結んで患者さんが自由に買い物ができるようになったらいいな、と思いますね。そして、いずれはセキュリティの問題も解決して、患者さんが自分自身の電子カルテを手軽に見ることができるようになれば、ということも考えています。ナースコールもこの画面を通じて呼び出しできるようにしたい。今は、回診に来た医師やナースが画面を見ればそれだけで診察が進められるように準備をしている段階。要するにひとつのものでどれだけ機能を持たせられるかということですよね」(三宅氏)
また、三宅氏は情報端末の使い勝手に関しても大変なこだわりを持つ。
「病院のテレビというと普通は棚に置いてあるものだけど、本当はまっすぐ向いて見たいですよね。ということで、情報端末の重さに耐えられるアームを世界中から探し出してつけてもらったんです」(三宅氏)
最終的にはどのようにIT化を進めていきたいのだろうか。
「最終的には在宅医療までIT化していきたいですね。今、当グループも訪問看護、訪問リハビリ、ケアプランなどの在宅ケアをしていますが、今後は画面を通じて双方向のやりとりをできるようにして食事の管理や服薬指導をやっていきたい。あとはセンサー関係を強化して、例えば『入院中の患者さんが今ベッドから体を起こした、次は横を向いて立ち上がるぞ』っていうのを予測できるようにする。要するに転倒事故の防止用です。入院していても、転倒事故が医療安全管理上一番多い。そんなときセンサーとこの情報端末を連動させておけば『看護師が来ます、しばらくお待ちください』という音声案内と画面に文字を表示することもできる。この機能が実装されるようになれば、かなり転倒事故は減らせるはずです。それとICカードを読み込ませて個人を認識できるようにし、買い物をしたり有料コンテンツの課金システムにまで対応できるようにしたいと考えています」(三宅氏)
角に丸みを帯びたユニバーサルデザイン。洗練されたスタイリッシュなライン
アームがあればベッドに横になっていてもいつも身体の正面に画面を移動できる
DIT-1000
患者様へのホスピタリティのため、と考えテレビを導入したが、患者様はテレビが流す放送を見てるだけでした。PCであればインターネット、さまざまな医療情報を提供できると考え、さらに情報提供の可能性の広がるものと考えていました。
画質が上がったことと、アームを取り付けることでいつでも体の正面に画面を持ってくることができ、さまざまな利用の範囲が広がってきており、今後はその機能性を生かし、付加サービスを始めたいと思っています。
ICT化の実施で業務改善へ
ハイビジョンテレビとタッチパネルコンピュータの2つの機能を独立搭載した多機能情報端末です。18.5型ワイド(1,366×768ピクセル)のタッチスクリーンディスプレイを搭載し、テレビ機能をパソコン機能から完全に分離させて搭載しているのが大きな特長です。テレビ機能は、地上デジタル/BSデジタル/110度CSの3波に対応しており、家庭用テレビの入力切り替え操作のイメージで、付属リモコンからテレビ画面表示とパソコン画面表示を切り替えることができます。
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