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持続可能な開発目標SDGsとは
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際的な開発目標です。

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すために、17の目標が掲げられており、目標達成のためには、「環境への配慮」「働き方改革」「健康づくり」など、身近な取り組みから社会全体の改革まで幅広い取り組みが必要とされます。
出典:外務省『SDGsとは?』
本コラムでは、SDGsの取り組みに係る、IoTやAIといったデジタル技術の活用や様々な取り組みを紹介します。
社会がSDGsに取り組む重要性
2016年12月に外務省から公表された『持続可能な開発目標(SDGs)実施指針』
のなかで、日本として優先的に取り組む課題が挙げられています。
8つの優先課題
あらゆる人々の活躍の推進
健康・長寿の達成
成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
平和と安全・安心社会の実現
SDGs 実施推進の体制と手段
国際社会での責任ある一員としての企業には、SDGs達成に向けた取り組みが求められています。企業がビジネスを通じてSDGsの達成に向け取り組むことは、企業価値を向上させて、競争力を高めるためにも重要と考えられています。工場の生産現場や社会インフラにも、IoTやAIが浸透し始めている今、デジタル技術を活用したイノベーションを進められれば、エネルギーの有効活用や働き方改革など、様々な社会課題を解決できる可能性があります。
参考:コンテック『SDGsへの取り組み』
SDGsとIoT/AIの関連性
SDGsの達成に向けた企業の取り組みとして、IoTやAIなどデジタル技術の活用が注目されています。8つの優先課題の3番目には「成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション」が挙げられており、この課題解決のためには、IoT/AIの効率的な活用や新しい技術開発などが必要なことが伺えます。
ここからは、具体的なSDGsにおける具体的なIoTの活用について解説します。
IoT/AIで実現可能な取り組み
IoT/AIを企業の生産活動や社会インフラに取り入れることで、新しい価値を作り出し、顧客のニーズに対応する製品やサービスを作り出すことができます。これにより企業の成長や、社会的課題解決を両立させることが可能です。
IoT/AIを活用する仕組み
- ①環境情報、稼働状況、人の動きなどIoTを利用して収集する。
- ②収集した情報(ビックデータ)をAIなどで解析する。
- ③設備の制御、配送や保守サービスなどに活用する。
IoT/AIを利用した活用例
実際にIoT/AIを活用して、課題解決や新ビジネスを生み出している例を挙げてみます。
製造業
- AIによる受注予測と生産計画の自動化
- 熟練作業者のノウハウの継承&マニュアル化
- ロボット導入による生産性の向上・省人化
エネルギー
- AI制御による発電設備の最適運用
- AI分析による最適なエネルギー需要予測
- 温室ガス削減やゼロミッションを目的とした施設の運用
酪農
- IoTの導入による飼育情報・環境情報の収集
- 体調予測に基づく飼育計画の自動化・最適化
- 経験・ノウハウの共有と活用
農業
- IoTの導入による育成情報・環境情報の収集
- 植物工場・ハウス栽培での環境制御の最適化
- AIによる市場ニーズと連動した収穫量の予測
コンテックのソリューションの紹介
生産ライン全体をIoT化(小牧工場)
コンテックでは、愛知県小牧市にある自社工場でのIoT化の取り組みを進めています。IoTシステムの導入当初は、作業効率の改善を目的として生産工程の「見える化」を進めていましたが、改善活動の中で脱炭素化社会に向けエネルギー監視や回生エネルギーの回収システム、快適な作業環境の構築など幅広い分野でのIoTの有効活用を実現しました。
河川監視・水門監視システム
コンテックのM2M/IoTソリューションである「CONPROSYS®」シリーズを応用した河川・水門監視システムです。エッジコンピューティング/通信回線/クラウドシステムなどのIoT技術を最適に組み合わせることにより、リアルタイムでの河川状況の監視と設備の遠隔操作を実現しました。河川監視業務の作業効率の改善だけでなく、人々の安全や暮らしや、より良い街づくりに貢献します。
AI手洗い判定システム
3Dカメラで撮影した映像から、正しい手洗い手順をAIによって認識するシステムです。AIによる画像処理技術を応用して手洗いの動作を認識することで、飲食店、食品工場、医療現場など、衛生管理が必要な現場で手洗いの実施記録を残すことが可能になります。
衛生管理業務の改善だけでなく、人々の健康、食の安全など社会に貢献する技術です。

太陽光・再生可能エネルギー
温室効果ガスを排出せず、国内で生産できる再生可能エネルギーは重要な低炭素の国産エネルギー源です。現在注目されているのが太陽光発電の「自家消費制御」です。「自家消費制御」は電力会社からの電力購入をできる限りおさえ、再生可能エネルギーを最大限利用できるようにコントロールする機能です。
コンテックの「SolarView SC」は、AIを活用した制御システムが、電力消費量、発電電力量、蓄電池システムの状態などから、最適な太陽光発電抑制量を最適化します。
設備遠隔監視システム
工場設備やインフラ設備の多くは、装置制御の実現のためにPLC(Programmable Logic Controller)が利用されています。「FacilityView® for PLC」は、ゲートウェイ端末をPLCに接続するだけで簡単に、データ蓄積、可視化、イベント通知をするシステムを構築できるクラウド型ソフトウェアサービス (SaaS) です。
サブスクリプションサービス (年額料金制)なので、遠隔地の設備監視、設備保守/消耗材補給などの作業の最適化、社会インフラの維持管理など、IoTを活用したい幅広い分野でのシステム導入のお手伝いをします。
まとめ
このコラムでは、SDGsの取り組みや、デジタル技術の活用について説明をしました。SDGsは、持続可能な社会を実現するために、世界全体で取り組む目標です。日本でも様々な活動が行われていますが、世界各国でも色々な取り組みが行われています。
シンガポールでは、2020年8月の独立記念日に首相から国民に向けた演説でも気候変動への対応が今後の政策の大きな柱として取り上げられ、具体的な政策として環境行動計画「シンガポール・グリーン・プラン2030」
(2021年2月10日発表)が発表されました。同プランでは、持続可能な環境を整備して国民の暮らしを守ると同時に、環境に優しいエネルギー源を確保し、クリーンなエネルギーの移動手段を後押しする方針が示されました。シンガポールでは、環境行動計画に必要な資金を調達するためのグリーンファイナンスなど、新たなビジネス機会も生み出されています。
IoTやAIといった先進的なデジタル技術の活用は、企業における新たなビジネスの創出、企業の成長のためのカギとなります。SDGsの取り組みの一歩として、デジタル技術を活用し、ビジネスモデルの改革を検討されてはいかがでしょうか。
コンテックでは、長年培ってきた電子機器製造のノウハウと、最新のクラウドやAIの活用技術など、お客様に安心して導入して頂ける製品の提供を行っています。
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