進化が止まらないCONPROSYS IoTゲートウェイ。時代のIoTを標準化して提供

本技術コラムは、2023年11月に掲載されたindexPro iP-special (PR記事) に同記事で登場する通信プロトコルなどの解説を当社が独自に加えて再編集したものです。

コンテックは、多種多様なセンサ・フィールド機器に対応した計測制御用の拡張ボードを提供し続け、30年以上にわたりPCベースの電子計測・FA制御の市場をリードしてきました。また、太陽光発電やインフラ設備の分野で2万サイトを越える遠隔監視システムを納入してきました。 こうした開発技術と納入実績からM2M/IoT市場向けに、「簡単」「便利」「使いやすい」を追及した「CONPROSYSⓇ(コンプロシス)」を2015年に発売しました。その後、様々なユーザーのニーズや要望に対応するために機能の追加や見直しを行い、より幅広い市場向けにネットワーク機能や標準化したIoT機能のファームウェア開発を進めてきました。

目次

用途で選べるCONPROSYS IoTゲートウェイシリーズ

IoT(Internet of Things)市場は、導入期 (イノベータ~アーリーアダプタ) から普及期 (マジョリティ) に移行しており、 ほとんどの企業がDX(Digital transformation)化の促進を掲げる中、業種業界を問わずIoTの考え方が着実に浸透しています。コンテックは、この市場変化をユーザーと共に歩みながら、CONPROSYS の商品ラインアップを拡大し、 IoTの仕組みづくりに必要な機能を提供してきました。

ノンプログラミングで監視・計測が行えるテレメータ (TM Telemeter) から、PLC(Programable Logic Controller) 言語で指令・制御プログラムが行えるソフトPLC搭載のプログラマブルオートメーションコントローラ (PAC System) まで、4タイプを取り揃えています。

CONPROSYS IoTゲートウェイ製品の用途と機能は以下の通りです。

ファームウェア更新で進化するIoT機能

CONPROSYS IoTゲートウェイは、グローバルスタンダードのフィールドネットワーク / IoT通信プロトコルの MTConnectOPC UA、Modbus、MQTT に対応しています。

こうした機能は、コンピュータデバイスにファームウェアという形で搭載し、ユーザー自身でファームウェアを更新できる仕組みを導入しています。発売開始以来、ユーザーからのご要望に基づく機能追加・改良が幾度となく繰り返し行われ、まさに「簡単」「便利」「使いやすい」が実現されている製品に仕上がっています。

CONPROSYS IoTゲートウェイは、何らかの通信障害が発生してデータ送信処理が完了しなかった場合、データ送信を自動的にリトライします。通信障害が長引いてもデータ送信処理が複数のキューとして溜まり、通信障害が解消した時点で、完了しなかったデータ送信処理から再開するという機能が入っています。通信障害によるデータ欠損を防ぐ機能が標準搭載されているというのは、システム設計者にとって大変ありがたいところです。

M2M Gatewayのブロック図は以下の通りです。

IoTゲートウェイの機能ブロック図

MQTTとは

MQTT は、1999年にIBM社とEurotech社のメンバーにより考案されたプロトコルです。MQTT通信では、送信側が送るデータをデータ領域に一旦保持しながら、受信側の処理が完了するのを待たずに次の処理へ移行することが可能なように考えられています。

ネットワーク帯域幅とデバイスリソースが最小限でありながら、一定の信頼性を確保できる特徴から、IoTの分野で注目されている通信方式となります。

MQTTの通信形態の例

MQTTプロトコルの特長

  • プロトコルがシンプル
  • 最小のヘッダーサイズが2Byteと非常に小さく軽量なプロトコルなので、メモリや動作速度の制約の厳しいデバイスや、帯域の狭い通信環境でも使用できます。

  • スケーラブル
  • 通信環境の実装に必要なリソースが少なくて良いため、小型のIoTデバイスや高性能端末まであらゆるデバイスに実装可能であり、柔軟性の高いシステム構築を実現できます。

  • 信頼性
  • MQTT では、IoT デバイスが再接続するのにかかる時間を短縮する機能や通信の到達可能性を設定できる機能など、通信環境が不安定な場合などでもレベルに応じた通信を可能にする仕組みが実装できます。

MQTTプロトコルのセキュリティ

MQTTを利用してIoTシステムを構築する場合、さまざまな攻撃や脅威から保護する上で重要な要素となります。SSL 証明書やパスワードを使用して、クライアントとブローカーの間でID、認証、および許可を実装することが推奨されます。

新たに BACnet 通信に対応

CONPROSYS IoTゲートウェイは、今回新たにBACnet のサーバ機能やクライアント機能、ルータ機能を搭載して、ビル設備のIoT化にも使用できるように進化しました。

BACnet通信機能を搭載

BACnet はインテリジェントビル用ネットワーク向けの通信プロトコル規格です。空調設備、照明システム、電気設備、防犯・防災設備やエレベータなど様々な分野で、別々なメーカの製品であっても、共通インターフェイスを介してすべての機器に接続・監視できるシステムの構築が可能です。CONPROSYS M2M Gatewayは「BACnet IP」プロトコルに対応しており、サーバ通信機能とクライアント通信機能を搭載しています。

 

サーバ通信機能

BACnet オブジェクトタイプを利用して IoTゲートウェイの内部情報を BACnet クライアントへ情報提供する機能です。BACnet 非対応の設備やセンサを BACnet 通信のビル管理システムに統合することができます。

クライアント通信機能

ビル設備機器 (BACnetサーバ) の情報を収集して、MQTTなど異なる通信プロトコルに変換して上位システムへ情報提供する機能です。複数に点在するビル設備情報をクラウドで統合して遠隔監視するシステムが構築できます。また、BACnet 対応のビル設備機器をOPC UA や MTConnect などの通信に変換して工場設備システムと統合することもできます。

BACnetとは

BACnet(Building Automation and Control Network)とはビルディングネットワークのための通信プロトコル規格です。ビル内の空調、照明、電力、防犯、防災、エレベータなどの制御に使用されます。1987年にBA(Building Automation)システム関連の各種団体が集まった会合で方針が決められ、1995年にASHRAE(米国冷暖房空調工業会)によって制定された ANSI/ASHRAE Standard 135-1995をもとに、2003年には、BAシステム用プロトコルとしてBACnetが国際標準規格 ISO16484-5に規定されました。

日本では、電気設備学会によって日本仕様に拡張した日本規格(IEIEJp、IEIEJp-A)が策定されたため、標準規格であるASHRAE BACnetを含め3つのプロトコルが現存します。

BACnetには、イーサネット上でBACnetサービスを通信するための「BACnet IP」プロトコルと、データ伝送の物理層にEIA-485(RS-485)を使用する「BACnet MS/TP」プロトコルがあります。

ビル管理システムの構成例

BACnet プロトコルを使用することによって、従来使われていた設備やシステムのメーカー独自仕様のインターフェイスが不要になり、異なるメーカー同士の機器を共通のBACnetインターフェイスを介して接続・監視できるシステムの構築が可能になります。

OPC UAサーバ、MTConnect 通信によるデータ連携

CONPROSYS IoTゲートウェイは、OPC UAサーバ機能を搭載しており、収集したデータをSCADA (Supervisory Control And Data Acquisition) やBI (Business Intelligence) ツールを使用して簡単に可視化することができます。工作機械向けの通信プロトコルの MTConnect Adapter 機能も搭載しており、MTConnect 対応のクライアントソフトウェアからもアクセスすることができます。

OPC UAとは

OPC UA(OPC Unified Architecture)は、生産工場やプラント設備など産業オートメーションなどの業界で、安全で信頼性あるデータ交換を行うために策定されたオープンな国際標準規格です。OPC Foundationが2008年に発表、その後IEC62541として国際標準化されています。

また、PLCの国際標準 IEC61131-3と整合性が高く、製造現場(FA)の情報を上位の監視制御システム(SCADA)や生産管理システム(MES)と信頼性を維持しながら簡単接続可できるため、包装機の通信標準規格PackML(ANSI/ISA-TR88)、射出成形機の通信標準規格EUROMAP、工作機械の通信標準規格umatiなど多くの業界で採用されています。ドイツ機械工業連盟(VDMA)では、業界ごとに作成された規格を統合して全ての機械装置のベースとなる通信規格「OPC UA for Machinery」を策定中です。

OPC UAを利用したシステム構成例

OPC UAの特長

  • スケーラビリティ
  • OPC UAを利用すれば組み込みシステムからメインフレームまでシステムを統一的かつスケーラブルに構成することが可能です。

  • 相互接続性
  • 従来、産業用設備や制御装置はメーカー独自の通信規格が採用されており、システム全体での連携が困難な場合もありました。OPC UAなら工場内の制御コントローラからモニタリングシステム、生産管理システムなどシームレスに接続することが可能です。

  • セキュリティ性
  • 最近ではプラントや工場設備のセキュリティ対策が課題となっています。OPC UAはSecure Channelを使用することで、OPC UA ServerとClient間でのメッセージのセキュリティを保証されているので、装置間のセキュアな通信を無理なく行うことが可能です。

MTconnectとは

MTConnectは、MTConnect協会が標準を定めた工作機械向けの通信プロトコルです。 デバイスやアプリケーションのデータ取得機能の強化、統合コストの削減を目指して策定されたプロトコルです。 米国を中心に、既に多くの大手メーカーが当規格を採用されており、今後の標準規格として注目されています。

MTconnectを利用したシステム例

MTconnectの特長

  • オープンプロトコル
  • 従来は、複数企業の工作機械を使用する際には、各社ごとの独自の規格に合わせたソフトウェアの開発が必要でしたが、MTConnectは標準的なインターネット技術であるHTTP、XMLを活用したオープンプロトコルであるため、変換用ソフトウェアが比較的簡単に実装可能となります。

  • ロイヤリティフリー
  • MTConnectはロイヤリティフリーであるため、MTConnect協会への使用許諾料を支払う必要はありません。また、MTConnectのライセンス契約に同意する企業は、MTConnectを自社の製品に統合することも可能です。

  • データ構造が共通化されている
  • MTConnectでは、工作機械から取得する各種データ(主軸負荷、軸速度、アラームなど)について、 データ種類毎にデータ構造が定められています。 ユーザー企業は、工作機械メーカーが異なる設備を接続してもデータ構造に煩わされることなく、同じ種類のデータを比較・集計することが可能です。

各社 SCADA / クラウドサービスへ柔軟に対応

MQTT / HTTPS / TCP などの通信機能により、自社のクラウドサービス 「FacilityView (ファシリティビュー)」 やSCADAソフトウェア CONPROSYS HMI System (CHS) はもちろん、各社のクラウドサービスとの接続性に優れています。

簡易ルータ機能

CONPROSYS IoTゲートウェイは、今回新たにルータ機能を搭載しました。具体的な機能は、DHCPサーバ、スタティックルーティング、ポートフォワーディング、IPフィルタなどの基本機能で、業務用の専用機器には及ばないものの、IoTゲートウェイに使う機能としては十分と言えます。これまで別途用意していたルータ機器が不要になるので、装置ボックスが小さく、機器構成がシンプルになります。何よりコストダウンになるのがうれしいところです。

SCADA / BIツール不要!? Web HMI 機能を標準搭載

工場設備や制御装置に使用される PLC などの制御機器のデータを可視化したり、指令制御を行う場合にプログラマブル表示器がよく利用されます。PLC には画面表示機能や大容量のデータを蓄積していく機能がないためです。表示画面を遠隔地から見たり、情報量が多い場合、ユーザーは別途 SCADAソフトウェアや BI ツールの環境を用意することもあるといいます。

CONPROSYS IoTゲートウェイは、可視化の機能もIoTの仕組みに必要な機能として使いやすく標準化して搭載しており、この分のコストを抑えることができます。

Webブラウサから CONPROSYS IoTゲートウェイにアクセス、HMI画面の作成機能を呼び出して、あらかじめ用意されているグラフ、メータ、スライダ、ボタンなどの表示パーツを配置してデータとの紐づけを行うだけで、簡単にHMI画面が作れてしまう。Webブラウザがビューワーとなるので画面サイズに制限がないのも特長です。プログラマブル表示器では、画面サイズの関係でページ送りが必要になってしまう情報量であっても、 CONPROSYS IoTゲートウェイなら広大な画面スペースに多数の表示部品を配置して表示できます。

CONPROSYS IoTゲートウェイを PLC などの制御機器を収納している制御盤へ収納してしまえば、1つの制御盤で可視化の機能まで完結させることができます。

CONPROSYS HMIで作成した画面例

CONPROSYS HMI の機能を詳しくみる

ビジュアルにルール設定できるローコードスクリプト機能を標準搭載

CONPROSYS IoTゲートウェイは、フローチャートを書くイメージで、ビジュアルにタスク設定が行えるローコードスクリプト機能 CONPROSYS VTC (Visual Task Control) を搭載しています。

入力データの演算、データ送信、文字列操作、条件分岐、ファイル操作など、50種類の機能アイコンを組み合わせて、ビジュアルにタスク設定が行えます。機能アイコンには、Eメール送信、SDカードへのデータ保存/読出、Microsoft Azure IoT Hubへのデータ送信も含まれており、機能としては十分といえます。 また、20本のタスク、10本のサブルーチンを設定しておくことができるので、かなりの規模のエッジ処理が必要でも CONPROSYS IoTゲートウェイのみで完結させられることが特色です。

コンテックのWebサイト (contec.com) では、「スクリプト 100選」として CONPROSYS VTC のサンプルプログラムを多数公開されています。通信、センサ接続、制御、監視、データ演算/変換のカテゴリに分けられており、見つけやすくなっています。

機能アイコンの例

CONPROSYS VTC の機能を詳しくみる

まとめ

CONPROSYS IoTゲートウェイは、既存の装置に遠隔監視や故障予兆検知のIoT機能を付加するデバイスとして、また、工場システムのDX化を推進する上でデータ収集/変換の機能を提供するユーザーニーズがたっぷり詰まった便利グッズといえます。
IoTの仕組みは、電気、電機、物流、材料化学、食品など様々な業種・業界に応用が広がっているが、今回紹介した新機能により、多くの業種業界で活用できるようになっています。
コンテックは、今後もユーザーからの要望をヒントに、時代が求める機能を標準化して実装していくことで、いつの時代も「簡単・便利・使いやすい」IoTソリューションを CONPROSYSのブランドで提供し続けます。
さらに、コンピュータ、計測制御デバイス、無線通信、ネットワーク機器などの産業用途に特化した総合電子機器メーカとして、IoT、AI(Artificial Intelligence)、DX、GX(Green transformation) といったお客様の変革課題を支援することを目指していきます。

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