医療・介護分野のDX化が求められる背景とDX技術の動向

DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進が叫ばれている昨今、医療・介護分野のDX化も進んでいます。医療従事者の不足など、問題を抱える医療・介護分野においてDXは救世主となれるのでしょうか。今回は、医療・介護分野のDXが現在どのくらい進んでいるのか、その背景とともに紹介します。

目次

医療・介護分野のDX化が求められる背景

今、医療・介護業界では医療従事者不足が深刻化しています。そもそも医療・介護業界は、24時間体制が必要となるため、シフトを組むとなると多くの人員が必要です。しかし、夜勤や深夜勤など、不規則な労働環境や責任の重さの割に少ない賃金など、さまざまな理由でなり手が不足しています。なかなか人が集まらず、常に求人を出しているところも少なくありません。

一方、2025年には団塊世代が75歳以上となるため、医療のニーズはますます高まることが予想され、今まで以上に医療・介護現場の負担が増大すると予想されています。

このような医療・介護業界の問題を解決する方法として注目されているのがDXです。日本政府は、医療のDX化や効率化などを目的として「医療DX令和ビジョン2030」を制定しました。医療におけるDXの目的は、医療の提供を効率的かつ効果的に行う点にあります。

具体的な医療DXの動向を順番に見ていきましょう。

医療機器、検査装置の高度化

医療機器や検査装置は、AI/機械学習などを利用したDXにより劇的に高度化しつつあります。現在、画像診断や病理、創薬などに利用される医療機器にAI/機械学習を搭載、各種診断の効率化が着々と進行しています。これらの医療機器や検査装置には、組み込み用コンピュータやFAコンピュータ、組み込み無線LANモジュールが組み込まれ、ネット回線に接続して取得した情報をすぐにネット上に保存できる仕組みです。

医療情報ネットワーク

病院や介護施設、薬局には、多くの医療情報が蓄積されています。これらの医療情報を共有・閲覧できるネットワークを共有することで、患者のあらゆる医療情報をどの施設からも利用でき、初診の患者でも効率良く診療を行うことが可能になります。

診療所の主治医から大病院へ患者を紹介する際もスムーズに進められるだけでなく、主治医が患者のその後の経過を確認することも容易になります。

医療事務、マイナンバーカード活用

医療事務では、厚生労働省がマイナンバーカード利用のオンライン資格確認の導入を進めています。健康保険証としてマイナンバーカードの使用を促すマイナポイント政策も実施されました。マイナンバーカードの活用により、医療事務における受付・診療・調剤・服薬指導・診療報酬請求など、多方面の効率化が期待されています。

オンライン資格端末の導入のためには、顔認証付きカードリーダー等の機器の設置やレセコン、資格確認端末などコンピュータの導入が必要です。
厚生労働省は、オンライン資格確認に用いる端末の要件を「資格確認端末において満たすべき要件」として発表しています。
オンライン資格端末の概要や機器構成など理解したうえで、導入の支援サービスなどを活用しながら、患者のための医療サービスを構築することが重要です。

コンテックでは、推奨仕様要件にベストマッチなオンライン資格確認端末をご用意しています。

調剤監査

調剤薬局厚生労働省は「患者のため薬局ビジョン」を策定しており、対物業務(薬中心の業務)から対人業務(患者中心の業務)への変革を推進し、かかりつけ薬剤師としての役割が発揮される仕組みづくりを進めています。薬剤師として専門性の向上や働き方の改善のためにはICT活用によるDX化が前提となっており、薬剤師に求められる仕事の変化が始まっています。

調剤薬局のDX化で特徴的なのは調剤監査です。従来薬剤師に頼っていた調剤を、機械の目でもチェックして調剤の認識・監査・記録を行うようになりました。調剤監査により、調剤業務はより効率的になり人的ミスを防止し、薬剤師の負担を軽減してくれるでしょう。

コンテックでは、バーコード・カメラ・電子天秤から薬種の情報を素早く精確に監査が行える画像識別型の調剤監査システムを提供しています。

介護施設、訪問介護

介護施設や訪問介護方面では、介護職員の人員不足が深刻化しています。24時間体制の見守りが必要であり、シフト制の勤務となるため、職員の負担も大きく、現場では日々効率化が叫ばれています。介護の人員不足をサポートするDX技術として挙げられるのが、人感・温度などのセンサーを利用したIoT技術でしょう。

入居者の見守りに必要なIoT機器が無線システムに接続されるシステムを採用すれば、新規のネットワーク回線の工事が不要で低コストで見守り支援のシステムを構築できるのでしょう。

コンテックでは、カメラを使用しないセンサーで見守るデジタル機器と記録ソフトのパッケージ商品をご用意しています。ご高齢者さまに携わるさまざまな職種の方に、利用者様の情報共有ツールとして広くご活用いただけます。

個人(親の見守り)

見守り支援システムは、個人の利用にも役立ちます。例えば、遠く離れた親が心配だが、なかなか会いに行けないという人も多いでしょう。故郷から遠い場所に住んでいる人は短期の休みでは、なかなか地元に戻ることはできません。また親の介護などを理由に、一度離職してしまうと、再就職が厳しくなる可能性もあるでしょう。

遠く離れていても親の様子を日々確認できれば、普段の生活と異なる行動の早期発見も可能です。親の見守りシステムは親、子双方にとって有益なシステムになります。

コンテックでは、見守り機器を設置したその日から、離れて暮らすご家族の生活を見守ることができる簡単・シンプルな見守り支援サービスを提供しています。

まとめ

医療・介護業界と聞くと厳しい職業を想像する方も多いかと思います。実際に、感染症の拡大や高齢化社会を背景に、医療や介護現場のひっ迫した状況が報道される機会が増えていると感じます。
しかし、先進的な取り組みを行っている医療・介護現場では、ICTやDXを積極的に導入されています。

コンテックでは医療機器や検査装置への組み込み可能なボックスコンピュータや、医療分野で高度な画像処理やAI推論処理を実現するFAコンピュータを取り揃えています。

社会の変化に伴い医療・介護業界でも変革が行われており、より安全で質の高い医療・介護を目指してDXの導入を進めていくことが重要です。

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